梅干しの干し方は意外と簡単!梅干しを美味しく作るコツをご紹介。

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昔ながらの梅干しの手作りっていいですよね。自分の好みの塩加減に作ってみたり、おばあちゃんの味を目指したり。

ベランダに家族で並んで一斉に「梅仕事」梅雨明けと同時にどの家も「土用干し」…なんて今では見かけなくなりましたね。

それでも、少量からでも家庭で簡単に作ることができる梅干し作り。実は最近では、無添加食材やオーガニック、発酵食への人気から「梅干しの持つパワー」にも注目が集まってきていて、若い女性でも手作り梅干しの人気が高まっています。

でもチャレンジしてみたいけど、一番心配なのが「干す」という工程。これは、本当にみなさんに言われます。

「干すのが面倒、大変でしょう?」「どれくらい干したらいいのかわからない」「仕事があって干せないから、私には無理」と。

その気持ち、とってもよくわかります。でもそんなこと、全くないんです。

「つきっきりで梅を干すなんてできない!」という、家にいる時間が殆どなくバリバリ働いていた私でも、毎年失敗なくとっても美味しく作れています。

私も全くの素人でしたが、オーガニック食品店に勤めていたこともあり、今では毎年スタッフへの実践教育や、お客様への梅干し作りのワークショップも行っています。

おばあちゃんの味を目指すべく毎年試行錯誤もしているので、梅干し作りにはかなり詳しいんです。

そこで今回は、梅干しを作る時に一番不安な「干し方」で迷っているあなたのために、美味しく作るコツをしっかりとご紹介します。

忙しくても、働きながらでも私みたいにズボラでも、美味しくできるポイントも盛り込んでご紹介していきますね。

とにかくとっても簡単な日本の伝統的な家庭行事の「梅仕事」。せっかくなので楽しみながら、まずはぜひ試してみてくださいね。

梅干しの干し方はとっても簡単!ザルがなくてもできる方法も。

梅干しの基本の干し方。ポイントを押さえてとにかく簡単。

梅干しの干し方として大切なことは「日光に当てる」「表面を乾かす」「殺菌する」この3つです。

夜露に当てるとか、何日間、など家庭や地方によって本当に色んなコツや干し方がありますが、とにかくこの3つができれば十分なんです。

干すタイミングは梅雨明けの「土用」

梅干しの基本の干し方としては、梅雨が明けた夏の「土用」に3日間天日干しをします。

この土用は、季節と季節の間のことを指し、今ではあまり知られていませんが「体調を整えたり新しい季節に向けた準備をする」というのが昔の風習です。

でも最近では大雨や長雨、突発的なゲリラ豪雨になることも多く、昔の暦通りというわけにはいかなくなっています。

実際に西日本豪雨の時は、雨が全く降りやまず、干すタイミングも無く。一個でも梅干しの壺をもって避難しようか迷ったほど雨が止むまでとにかくずっと待ちました。

そのため、土用に特にこだわる必要はなく「梅雨が明けていること」と「天気予報で3日間連続で晴れるタイミング」に干します。

基本の干し方はザルに重ならないように並べて3日間

基本の干し方は「3日間」です。ザルに、梅の実が重ならないように並べて、日の当たるところで丸3日間干します。

梅を漬けた時に上がってきた水分を「梅酢」を呼ぶのですが、この梅酢も一緒に天日干しして殺菌します。

この時「夜は家の中に入れる」干し方と、そのまま出しておいて「夜露に当てる」干し方の2パターンがあります。

日中、カラっと乾燥した梅の実を夜露に当てると、中の果肉がとろりと上品なしっとりさを持ち、甘みの引き立つ仕上がりになります。

でも、夜露に当てなくても、もちろん十分に美味しく仕上がります。

大自然の中の田舎ならいいけれど、やたらと蒸し暑く夜も気温も下がらないのが都会の夏。都会の気温差では夜露はつかないし、街灯に異常に集まる夜中の虫もちょっと不安ですよね…。

なので私は、都会の場合は室内に片づけてしまうのをおすすめしています。

もし外に出せなかったら「一週間かけても干す」のもOK

でも、天気予報をしっかり見たのに、選んだ3日間に「うっかり雨!」なんてこと、ここ数年は本当によくあります。

雨に濡れてしまうと、さすがにカビの原因となってしまうので絶対に避けなければなりません。

でも3日間も丸まるずっと梅干しに付きっ切りで、お天気とにらめっこなんて、そう簡単にできないですよね。ここが、多くの方が梅干しの作り方を見て「ハードルが高い」と思ってしまうところでもあります。

そこで「天気予報が外れそう…」という不安な日や「休みの日に干せない」「仕事で殆ど家にいない」という場合は、はじめから諦めて「日差しの当たる室内で干す」と簡単なのでおすすめしています。

ただし、日差しの当たる室内で干した場合は、それでもどうしても乾きが悪くなってしまうので少し長めに干すと上手くいきます。

大体一週間ほどを目安にしてみてください。そして、換気扇をするなど、換気は必ずしっかりと行ってくださいね。

とはいっても「美味しく作る」ことと「殺菌する」ためには、日光に当てた方が断然いいので、例えば「休日の一日だけ」でも「朝の一時間だけ」でも外に出して干してみてくださいね。

どうしても無理なら干さなくってもOK!

これはとってもびっくりされるのですが、実は私「干していない梅干し」ですご~く丈夫に健康に育ちました(笑)そうです、ただの塩漬けです(笑)

干さなくてもOKなら、なんだか簡単そうでハードルがぐっと下がりませんか?

私の祖母は、味噌も梅干しも干し柿もなんでも手作りしてくれていましたが、梅干しは「干さない派」でした(笑)子供の頃は何も疑問に思わなかったので、理由は聞けずじまいだったのですが。

それでもしっとりと仕上がり、昔ながらの酸っぱくて塩辛~い、ごはんが止まらない美味しい梅干しでした。

15%以上の塩を効かせて作るので、何年寝かせても常温でカビが生えることも腐ることもありません。

そうなんです、タイミングを逃したら、面倒だったら、干さなくっても何も問題なく簡単塩漬けでOKなんです。

ただし、塩分濃度が15%以下の場合や、容器の殺菌が不十分な場合はカビが発生しやすくなります。時々ちゃんと中の確認はしてくださいね。

ザルが無くても美味しく干す簡単な方法!

私の話ですが初めての梅干し作りの年「さぁ梅雨が明けて梅を干すぞー」って時に「干す用のザルを購入するのを忘れていた!」ってことがありました。

ざわざわホームセンターでザルを購入しても「梅干しの時しか使わないし」「しまう場所もないし邪魔だなどうしようかな…」なんて迷っているうちに、忘れていました(笑)

そこで実践して大正解だった、ザルがなくても美味しい干し方をご紹介します。

ケーキクーラー・グリル網・水切り用のザルを使う

乾燥さえ、できればいいんです。そこで、キッチンにあるもので使えるものはなんでも使っちゃいます。

ケーキクーラーがあると便利ですが、なければグリルの網でも、野菜の水切りに使うザルでも、食器を乾燥させるカゴでも。

もちろん、使用する場合はしっかりと清潔に洗って乾燥させてから使用してください。専用のザルに比べると、網目が大きくなってしまうので、梅の実の皮が破れやすくなります。

そのため、とにかくそっと丁寧に並べてあげることが重要です。

まな板やトレイ、大皿などを使う

網らしきものがない場合、ザルに載せきれなかった場合、私はまな板やトレイに並べて干したこともあります。

この場合の注意点は、どうしてもザルと違って接触面がべちゃつきやすいので、かならず上下をしっかりとひっくり返すことが必要です。

ザルで干す場合は、通気性が良いので神経質にひっくり返さずに放っておいても美味しくしっとり仕上がります。ですが、トレイのように網目のないものの場合は、接触している梅の実の部分がべちゃつきやすくなり、破れやすくなります。

その対策として、できれば朝晩でOKなので一日に2回以上はひっくり返したいのと、キッチンペーパーを敷いた上に並べることをおすすめします。

しっとりとした梅干しのポイントは「風通し」と「日差し」

もっと本格的に「しっとりとろり」「梅の実の本来の甘みを引き出す」「上品な舌触り」を目指す梅干しの干し方は「風通し」と「日差し」がとても大切なポイントになります。

本当は、しっかりと通気性のいい場所で、直射日光よりも少し日陰で干すと、よりしっとりと上質に仕上がります。

とはいっても実は簡単で、ザルはそのまま地べたに置くのではなく、できればザルの下にレンガやブロックなどで15cm以上は隙間を開けて、ザルの下にも風が通るようにするだけです。

また、昼間のカンカン照りの時間帯は直射日光に当てると、水分が一気に飛びすぎてしまい後から塩辛~くなってしまうので、陰干しに移動するといいです。

梅干しの作り方でよくある疑問に答えます。

干しあがった梅干しは梅酢に漬けておく?漬けない?

3日間干した後の完成した梅干し、色んな干し方があってそれぞれ書いてあることがバラバラです。でもこれ、実際に「仕上がりの好み」の問題なんです。

梅酢に戻した場合は、ちょっとしょっぱめ、でもふんわりしっとりで梅本来の味わいが濃く仕上がります。というもの、乾燥させた梅をもう一度漬けるので、その分梅酢をたくさん吸収するんです。

そのため、少し塩分高めでしっとりめに仕上がります。また、梅酢に溶け出た梅のうま味も吸収するので、味わいは濃厚に仕上がるんです。

梅酢に戻さない場合は、もう少し皮がぱりっと乾いたままの状態で比較的さっぱり目です。

どちらがお好みかで選んでくださいね。半分にわけて、漬けておく分と漬けずに保管する分とで味比べしても面白いですよ。

一年寝かせた方が美味しいって本当?

そうなんです。干しあがった梅干しは、一年寝かせた方がより一層美味しくなります。もちろん、できあがってすぐ食べても問題はありません。

でも一年寝かせると、塩気が馴染んで味わいが丸くなり、味わいに深みがでます。

塩気って丸くなると甘みに似た味になりますよね。そのため梅が本来もつ香りや梅の実の甘みが感じられるようにもなるんです。

3年以上、5年10年と寝かせた梅干しは薬効効果もあるとされて昔から薬のように扱われてきました。ぜひ、何粒かだけでも、ちょっと保存瓶を分けてこっそり1年以上寝かせてみてください。

副産物の梅酢の使い方がわからない!使わないともったいない!!

これは本当にもうみんなに聞かれます(笑)梅干しを作った時に出たあの水分「梅酢」。ここには梅の栄養も、美味しさもたっっっぷり!!なので捨てないでください。

昔は、本来は梅の実を食べる習慣はなく「お酢」としてこの梅酢を作るために梅を漬けていたくらいなんです。

でも困るのが、市販の米酢と違って「塩辛いお酢」であることですよね。だからどう使っていいかわからない…と。

だけどこの梅酢、殺菌効果も高く、自然に作られた身体に優しいお酢としてマクロビやヴィーガンの方、オーガニック業界では非常に再注目されています。購入すると意外といい値段するので、絶対に捨てないでください(笑)

例えば、梅酢を手に付けておにぎりを握ったり、ごはんに梅酢だけ混ぜれば梅の香りのすし飯が簡単に完成です。

この梅酢のすし飯、梅のうま味のおかげで甘みを足す必要がないので、ちらし寿司にも、いなり寿司も簡単にできちゃいます。

きゅうりやカブ・大根などを塩もみしないで、この梅酢に漬けるだけで簡単浅漬けに。しかも梅なので殺菌効果もありお弁当にもおすすめです。

牛や豚の炒め物にも、お塩もお醤油もなしでこの梅酢だけをじゅっとかけてあげるだけで味がきまります。

梅酢にほんの少しお醤油でコクを出して、殻をむいた茹で卵をひと晩漬け込むとお弁当の一品が簡単に完成で便利です。

こんな感じで実はアレンジ自在な梅酢。梅酢を使うと、さっぱりと美味しく簡単料理ができるので、ぜひ活用してみてくださいね。

まとめ

ちょっとハードルが高いと思っていた梅干しの干し方、とっても簡単だということが伝わると嬉しいです。元々はそれぞれの家庭の味で受け継がれてきた家庭料理。

全く難しいことは無いので、ぜひコツとポイントだけしっかり押さえて、美味しい梅干し作りを楽しんでくださいね。

 

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